デンマークでの働き方と彼らの思考

ケイ・イングリッシュスクールの丸尾です。

最近話題の

「働き方改革」

についてですが、

ちょっと、待って欲しいと
思うことがあります。

それは、

「点で物事を見ると間違える」

という事です。

・・・・・

それは、デンマークでは

週の労働時間が30時間に近づいていること。

(日本は、50時間ぐらいですので
デンマークの100年前の労働時間!)

バカンスや、産休育休がガッチリ保証されて
いること。

残業がほぼないこと。

などの、

働き方の話題を仲間としました。

誰もが間髪入れずに「日本でも是非!」といいます。

確かに、みんながうらやましいと思うのも
分かります。

日本は、有給をとることすら許されない
企業がまだまだ多いです。

就業規則では有給は当たり前の労働者の権利ですが、

有給を申請したら上司がいい顔をしない

という職場が多いのですから。

なので、おそらく、デンマークや北欧の
働き方の話を聞くと、

多くの人は、

「素晴らしい!羨ましい!」

と、思うはずです。

実際、私も素晴らしいと思っています。

しかしです。

では、日本も同じような働き方に
すれば、上手くいくかというと、、、

そういうわけでもないのです。

労働時間や、働き方の部分は
点でしか、ありません。

その点だけを見て、それを
取り入れてもおそらく上手く行かないと
思います。

例えば、

この労働時間やバカンスなどの
働き方の話ですが。

なぜ、これが出来るかというと
もうひとつの仕組みがあるからです。

それは、、

「社員をいつでもクビにできる」

という現実があるのです。

このクビにできるという現実が
あるからこその、働き方だと
言うことです。

日本の人が、北欧の労働環境について
話を聞くと、随分と恵まれている印象を
受けます。

そして、きっとみんなこう思うはずです。

「私たちの労働環境もそうして欲しい」

その時、頭の中では、

今のままの環境で、労働時間だけ
短くなるイメージを持っていると思います。

しかし、そう甘い話では
ないのです。

彼らは、恵まれた労働環境を保証されて
いますが、簡単にクビを切られる世界で
働いています。

つまり、

休みをたくさんもらえるけれど
仕事ができなければ、いつクビになっても
おかしくない

という環境で仕事をしています。

実際、シビアな世界です。

クビにならないだけの
仕事をしている、

だから、

恵まれた労働環境で
働けている。

という事です。

翻って、日本では、社員を簡単に
クビにすることはできません。

社員は守られているのです。

デンマークのように、コストも時間も
かけずに、解雇できる社会ではありません。

私は、思うのですが、

今の解雇ができない環境で
働き方改革をしたら、

日本の企業は潰れると
思います。

今のままなら、

自分の仕事を向上させよう
もっと、生産性を高めよう

という気持ちをもたないまま
休みだけ増えるようになります。

今のままで、働き方改革をしても

人間が堕落する方向にしか
いかない

と、思います。

会社はどんどん潰れ、
日本の競争力はもっと低下して
いくでしょう。

この事からも分かるように、

=================
物事を「点」でとらえると間違える。
「面」でとらえること!
=================

という事です。

その裏側の仕組を見ないと
間違えると思います。

大切なのは、

=================
なぜ、それが、可能なのかという

【仕組み】

に注目することです。
=================

意味が分かるでしょうか?

では、

この働き方革命の続きです。

この話を聞いて、

「そうか、そうしたら、日本は
労働時間を短くする代わりに
解雇しやすい環境をつくったらいいんだ」

と思うかもしれません。

ただ、デンマークの場合は、
更に2つの仕組みがあるから
これを実現できています。

それは、

「解雇された後の保証が手厚い」

ということです。

失業保険でもらえる額も
期間も日本より充実していますし

その後の生活保護の制度も
しっかりしています。

そういうセーフティーネットが
あるから、解雇をすぐにできる社会に
なっています。

そして、

もうひとつの大事なポイント。

それは、

デンマークの人たちは
失業保険をもらったら

その期間、頑張ってスキルを高めて
もらった以上の税金を収めるのが
当たり前、

と、思っています。

つまり、デンマークという国は
ひとつのチームであり

このチームがなりたつには

「誰もずるをしない。」

という事が徹底される必要が
あると、国民が認識しているのです。

失業保険や、生活保護が充実しているから
といって、それを悪用する人がいたら
国が成り立たなくなる。

というのを分かっていて、

だから、失業したら、

「早く就職して、もらった以上の
お金を返そう」

と、考える人が多いのです。

そういうデンマーク人のマインドが
最後のセーフティーネットと言えます。

そして、この事は、

つまりは、

教育の話につながっていきます。

国民の民度を高めるのは
教育だからです。

だから、デンマーク社会でも
教育をメインに持ってきました。

これが、働き方革命を実現するために
必要な仕組みです。

・・・・・・・・

今日、この話をしたのは、

「情報は点で見ると間違える」

という事を伝えたかったので
事例として取り上げました。

そして、

「情報は、点ではなく
面(仕組み全体)で把握すると
本当に役立つ」

ということをお伝えしたいと
思いました。

私もまだまだですが、

これからの時代に必要な
重要なスキルだと思います。
そしてこれは「論理的思考力」の一部であり、
日本人が弱い部分です。

私たちの子どもの未来のために教育を。

長文をお読み下さり、ありがとうございました。